テキスト・アーカイヴ
■写真を見る力とコレクション――白仁田剛写真コレクション展より(初出:会報47号)

【公的コレクションの場合 川崎市市民ミュージアム】

深川:皆さんこんにちは、深川です。

今御紹介いただきましたが、ここにはデザインの学生さんたちもいらっしゃるということで、ちょうど川崎市市民ミュージアムで「グラフィックデザインのモダニズム」(4/22-6/11.2000)というのをやっているのですけれども、多分、学生の皆さんは見に行きましたか。非常に貴重な展覧会だと思いますが、図録も売り切れてしまいまして、ここでどうやって伝えていいかわからないのですけれども。僕の仕事としましては、写真の仕事というのが一つ中心的なものとしてありますが、モダニズムの意味を問いかけていくというか、それによって人間の精神というものを解明していく、そういうところも一つの作業としてありまして、こういう展覧会だとか、あとバウハウスの幾つかの展覧会、そういうものもいろいろ企画させていただいています。

きょうは、プライベートなコレクターとしての白仁田さん、そして私が、公の、パブリックなミュージアムのコレクションに携わっているものとしてのお話をちょっとぶつけてみようじゃないかということで、非常におもしろい試みであると思いましたので、ぜひともということで参加させていただきました。

それで、まず、美術館がどういうものなのかということをお話ししなければいけないと思いまして、スライドを用意してきました。

1.川崎市市民ミュージアムの沿革

川崎市市民ミュージアムは、1988年にオープンしまして、10年ちょっとになります。外観は近未来的なデザインの建物でして、複合的なミュージアムです。ですから、写真の部門もありますが、幾つかの興味深い部門も一緒にあります。これは、去年外国でレクチャーしたときのスライドなのですが、1988年に設立されておりまして、川崎市というのは125万人ぐらいの大きな都市で、東京の近くにありますという説明をしてあります。

それで、川崎市市民ミュージアムには、まず二つ大きな区分けがありまして、一つは市の歴史博物館という部分と、あともう一つは美術部門という大きな二つのくくりがあります。そして、美術部門という中に、これが大変大きな特徴なのですが、グラフィックアート、ポスターだとかグラフィックデザインに関する部門がある。あと漫画部門というのがあります。そして写真の部門がありまして、映画の部門、そしてビデオ部門。こうやってみますと、例えばピカソだとかミレーだとかクレーとか、そういう絵の部門はないのかというふうに思われると思いますけれども、実際にいわゆる絵画とか彫刻の作品は集めていないというところが非常に特徴的なところなのですね。

外国の方々に紹介するときは、我々の川崎市市民ミュージアム美術部門というのは非常に特徴があって、こういう部門がある。漫画の部門なんて、もう11年たちますけれども、日本にある唯一の部門で、そこに二人の専門の学芸員がいるわけです。説明するときに、いわゆる版画だとかポスター、漫画、写真、フィルム、ビデオ、将来的にはコンピューターグラフィックスなんかも入ってくるでしょうけれども、ちょっと難しい言い方をすれば複製技術芸術のコレクションが中心であると。最近の言葉でいいますと、メディアをターゲットとしたコレクションであり、そういうものに関する展覧会とかさまざまな企画を行う美術館であるというふうに説明しております。ですから、ミュージアムの場合、写真の部門というのがありますが、こういうほかのグラフィック部門、漫画部門、映画部門、ビデオ部門と、こうしたものと一緒ににあるというところが特徴的です。この総合的な性格は、ミュージアムの写真のコレクションの一つの特徴でもありますので、そこら辺について説明していこうと思います。

2. 写真部門のコレクション

写真の部門について少しお話ししますと(スライドを見せながら)、日本の公立の美術館で最初に写真の部門というのが設立されたのが川崎市市民ミュージアムです。その直後に横浜美術館にも写真の部門が設けられまして、その後に全体的な写真の美術館として東京都写真美術館が登場する。それと関連する流れとしましては、東京の国立近代美術館、ここは写真を既に集めていたのですけれども、独立した写真の部門というのが設けられます。ですから、こういう一連の写真に関するパブリックなコレクションあるいは部門というのは、言ってみれば兄弟関係にあるところです。僕も、今挙げたような館のキューレーターの方々とはいろいろな意見交換をしている。君のところがこういうコレクションをするんだったら、僕の方はこういうふうなものをするよ、うちの方にこういうオファーがあったけれども、ちょっとうちのコンセプトとしてはちょっとプライオリティーが低いけれども、これはやはりどこか日本の美術館の方に入っていた方がいいねという話をして、ほかの美術館に紹介したりですとか、そういうこともやっています。

3.コレクションと展示活動

さて、写真のコレクションなのですけれども、点数からいきますと、いろいろ調べていたら、約9,000点に生長していたというのがわかりました。プリントとして9,000点ぐらい写真の作品がミュージアムにあるわけです。これは公立の美術館施設としましては日本で2番目に大きなコレクションになります。もちろん1番目は東京都写真美術館です。もう一つの特徴としましては、10,000点の写真関連資料、つまり写真集だとか雑誌とか、つまり印刷された状態での写真に関する貴重な資料が10,000点ぐらいあります。このことについてはまた後ほどお話ししたいと思っています。

この9,000点の時点の写真の内訳ですが、日本の写真家のものが4,000点ぐらいあって、3,000点ぐらいがインターナショナルな、国際的な写真のコレクションです。時期的には、写真が発明されたのは19世紀の大体半ばぐらいですけれども、19世紀の半ばぐらいから今日までというふうな範囲になります。割合としては、点数がふえましたけれども、大体4:3の割合です。

さて、こういうコレクションというものが美術館にあって、それをいろいろ展示に供して、企画を立てたりする、それが僕らの、キューレーターとしての仕事でもあるわけですけれども、展示活動とコレクションというのはやはり密接に結びついていますので、ちょっと展示についてもここでお話をしておきたいと思うのです。

[「バウハウスの写真」展ポスター、会場写真]

例えば、これは1997年にやりました「バウハウスの写真」という展覧会です。もちろんずっと以前にやはりこれに関連する作品、資料というものをミュージアムの方で収集しております。そういう収集の作業をやりつつ、収集の資料をいかに生かした展覧会ができないかということもいろいろ考えて、例えばこの展覧会を企画しました。これはそのときの展示場の写真です。このときは海外から200点ぐらい借りてきて、国内で100点、そのうち50点ぐらいはミュージアムのオリジナルのコレクションから出した展覧会でした。

[アンセル・アダムス写真展のポスター]

あと、アンセル・アダムスというアメリカの20世紀の写真家として非常に人気のある作家ですけれども、こういうのもやります。これはすべてフレンズ・オブ・フォトグラフィーというアメリカのアンセル・アダムス・センターの中にあります美術館からすべてお借りして展示して、全国を巡回させるような形で、日本側のまとめ役として川崎市市民ミュージアムが行ったという展覧会です。アンセル・アダムスは、ミュージアムには1点しかありません。これはアンセル・アダムスの写真が非常に高くて、とても買えるような価格じゃなくなっているというのもありますが、ただ逆に、教育的な意味で1点ぐらいあればいいのかなと。アンセル・アダムスは好きな作家ですけれども、だからと言って、ほかのコレクションのバランスをやはり考えていかなきゃいけないので、好きだからどんどん買っちゃえばいい、そういうものでもないというところが、パブリックのコレクションのちょっと違ったところです。

さて、もちろん写真も展示しているわけですけれども、今言ったように、幾つかのほかのメディアに関する部門があります。当館では、他部門との連携も重要なポイントになってきますので紹介します。

[グラフィックギャラリー]

例えば、これはグラフィック部門のギャラリーです。グラフィックのコレクションが3,000点ぐらいありまして、これも日本の中では大きなコレクションです。適宜こういう常設のギャラリーで展示を行っているわけです。

[ビデオライブラリー]

これはビデオライブラリーで、3,000点のプログラムの中からいつでも、だれでも、無料で見られる形になっています。

[映像ホール]

これは映画の部門の映像ホール。ここではシンポジウムとか催し物がありますが、映画のコレクションもあります。そしてこういうところで企画の上映を行ったりするわけですね。こういうふうにほかの部門があります。

そういう異なる種類の部門がある中で、写真のコレクションをどういうふうに考えるのかというのは、多分皆さん質問が出ると思いますけれども、例えば東京都写真美術館と比較してみるといいと思います。この施設の場合は、映像の部門も併設されてますけれども、中心は写真美術館単館で、写真の収集を中心に集めている。これはすばらしいことであると思うわけですけれども、川崎市市民ミュージアムの場合は、今ごらんになったように、グラフィック、漫画、映画、ビデオとかあって、一種のハイブリットというか、変な言い方をすればごちゃまぜなところがある。そこが、川崎市市民ミュージアムのコレクションにとっても重要な点になっております。というのは、それぞれのメディアは、関連しあっている部分があるからです。

ところで、写真の領域をどこにとるかという問題は、これは先ほど白仁田さんが現代美術ではないというふうな面白いお話がありましたけれども、非常に難しい部分があるわけです。僕は、写真部門を担当しているわけですけれども、写真の領域はそれ自身で完結し閉じているのではなく、写真自身がある意味でいろいろな広がりを持っているということがあるわけです。その広がりの部分もコレクションや展示の場合に視野に入れていくということが重要だと思います。

例えば、バウハウスの作品があります。しかし、バウハウスの写真を理解する上で、バウハウスで何が行われていたのかということを示すほかの資料、例えば雑誌の資料、当時バウハウスが出していた機関紙「Bauhaus」だとか、そういうものもやはり入手していく必要がある。だから、1枚の写真というのは非常に多面的な価値を持っています。その多面的な価値を、どの側面で見る人あるいは研究する人に開いていくのか、そこがコレクションされた作品をより豊かなものにしていくかというための重要なポイントではないかというふうに思っているのですね。ですから、ちょっと繰り返しになりますけれども、写真ももちろん集めているけれども、写真を通してその背景にある部分、そこを見ながら収集していっているわけです。

4. プリント作品と印刷物の関係

先ほど数字でお示ししましたけれども、10,000点ぐらいの、プリントとしての写真ではなくて、印刷された状態での写真というものがたくさんあるというのをお話ししましたが、その部分の役割というのは実は写真の多面的な価値をどうやってフォローしていくのか、そのための資料というふうに言っていいと思います。

[「LIFE」創刊号の表紙]

例えばこういうものがあって、具体的に言いますと、つい最近最後の巻が出てつぶれてしまいましたけれども、グラフ雑誌の「LIFE」というのがあるわけですね。あるいは、フランスの美術雑誌で「ベルク」という、1930年代に出された非常にクオリティーの高い美術誌がありますけれども、ここには、もちろん写真だけではなくて、例えばマン・レイの写真も紹介されていたり、ブラッサイの写真が紹介されていたりしていますけれども、ほかにも、例えばピカソだとかシャガールあるいはマチスのすばらしい版画の、プリントされた作品が入っていたりする。でも、そういうものも写真部門の中で集めたりしております。これは、多分東京都写真美術館のコレクションとはかなり違ったところでしょうね。印刷されたもので、しかもある意味で美術史とも非常に深いつながりがある資料までも持ちこんでいる。

だけれども、写真というものの多義性といいますか多面性、意味の豊かさ、それをいかに引き出していくのか、あるいは開き示していくのかという中で、印刷された写真の資料あるいは写真そのものが、そこに写されていなくても、写真が持っている思想といいますか、あるいはアイデアというもの、それを語っているような、あるいはそれがわかるような資料。

例えば、ダダに関する写真があったとしますね。そうすると、未来派の写真の資料、これも既に収集しているのですが、それにあわせて未来派の首謀者のマリネッティが書いた資料、本だとか、あるいは「未来派宣言」に関するいろいろな原資料とか、そういうのも集めております。

[1994年開催「バウハウス」展]

今話したのは写真の多義性というもの考えていく意味で、その背景もやはり考えざるを得ない、そういうスタンスで私は仕事に当たっていまして、そういう発想から生まれた展覧会のひとつが1994年に行われましたバウハウスの展覧会です。これはそれ以前に東京の国立近代美術館でやられたのが23年ぐらい前だったのですが、久々のバウハウス展だということで、結構反響があった展覧会なのですが、今お話ししたような話が、つまりバウハウスの写真だけでも、写真を持っていて、それを展示しても、それは写真の展覧会には間違いないのですけれども、それでもって、例えばバウハウスの考え方だとか、バウハウスが何をやっていたのかということを伝えることはできない。であれば全面展開して、まずバウハウスというものを全部とらえよう、そういう意図のもとにこういう展覧会を企画したりもしております。

5.現代写真の企画とコレクション

いろいろな展覧会をやっているのですが、これは白仁田コレクションとも非常に通じる部分といいますか、まだまだ日本で写真の歴史というものを実際のものを見ながら勉強できる場というのが少ないわけですけれども、とにかく勉強できるようなもの、基本的な資料を集めようということで、これは川崎市市民ミュージアムあるいは東京都写真美術館、横浜美術館も一つのコレクションの中心活動としてあります。それで、歴史的なものの重要性というものを認識しつつ、しかしやはり現代の写真のあり方というもの、これも私たちが実際に生きている現代というものを考える上で非常に重要であるということで、僕らがオープンしたときには収集の方針としてはっきりとは出されていなかったのですけれども、当時仕事をしていました平木収さんと一緒に、やはり現代の写真の作家さんたちの活動を見ていって、それをサポートしていくような場をつくっていきたいなという話をして、コレクションの中でそういう意図を生かせたらということで、現代の写真家の作家の作品の収集も限られている予算ではありますけれども、進めています。

[「女性のまなざし」展カタログ表紙]

今お見せしているのは「女性のまなざし」という1990年にやりました展覧会です。

これはたしか僕が最初に関わった海外写真家の展覧会でした。ドイツは現代写真の活動が、1980年代の半ばぐらいから非常に目立っていたのですけれども、まだ日本であまり紹介されていなかったので、そこら辺を紹介したいというのと、せっかくだから日本の現代の女性の作家の活動も一緒に見られるようにしようという感じで考えた展覧会だったのですね。

この中に石内都さんもいらっしゃいました。あと安田千絵さん。安田千絵さんの作品は白仁田さんのコレクションの中にありましたね。あと、まだ当時は日本の美術館ではほとんど展覧されていなかったのですが、結構海外の方で注目されているといいますか、現在高く評価されている作家として杉浦邦恵さんとかもいる。安田千絵さんは、そのころは学校を卒業してまだ4、5年ぐらいだったかと思いますけれども、かなり若手の作家だったのですね。こういう形で、美術館でこの作家は現代の状況の中で興味深い仕事をしている、重要な仕事ではないかというふうな考えのもとに、一緒に、選ぶという言い方は余りしたくないのですが、一緒に展覧会をつくってというふうなスタンスでいたいと僕は思うのですが、一緒にやりませんかということで、お話をしてこういうふうな展覧会をやっています。

そうすると、安田千絵さんなんか全然、名前としてはそんなに当時まだ知られていなかったと思うのですが、そこで彼女を仕事を注目する人たちが出てくる。あるいは、海外のキュレーターが展覧会を見て安田千絵という名前をメモったりする。そういう形で社会的に作家の仕事が流通していくわけですね。そして、そういう流れの中で、白仁田さんのような眼力のあるコレクターの方の目にとまったら、そこでまた収集もいただける、実はそういう関係にあるわけですね。

[現代写真の動向展]

これは別の現代写真の展覧会です。「現代写真の動向展」というものを5年ぐらいごとにやっておりまして、そのときどきの現代写真の状況というものを、一種のサーベイ、調査をして、その状況を見せるというか、そういう展覧会をやっています。これは2回目なんですけれども、来年また現代写真の動向の3回目をやることになっているのですけれども、こういうのをやっております。

例えば、この展覧会で瀬戸正人さんという人がいました。この方は、このときの展示も含めて、このときの朝日新聞が行っています木村伊兵衛賞の受賞作家になられました。そして、その翌年に畠山直哉さんという方がいらっしゃいますけれども、この方がここで展示された作品を含めて受賞の対象となりまして、木村伊兵衛賞を受賞するというふうな形で、何人かの作家の方がまたさらに飛躍されていくわけです。そういう場としてもつくっていきたいなと考えて活動しているわけです。

[川崎市市民ミュージアム・写真ギャラリー]

そして、これはミュージアムの写真ギャラリーです。2つ写真の展示場があるのですね。1つは大きな企画展示場というのがあって、そこで例えばバウハウスの写真とか、今お話ししたような「現代写真の動向展」とか大きい展覧会をやって、もう一つ写真のギャラリーというのがあります。これは小さいと言ってもそこそこ大きなギャラリーでして、小さい額の作品ですと200点ぐらいは優にかかるような展示場なんです。ここはミュージアムで収集した作品からある切り口で展示するような展覧会を大体年に3回から4回ぐらいやっております。

[ギャラリーの風景・柴田敏雄展]

実は、そのギャラリーでもやはり現代写真の状況というものを見られるような場をつくりたいということで、平木さんとも話し合って、また別のシリーズ「MATRIX OF PHOTOGRAPHY」というシリーズをつくりまして、ここで、例えばこれは1991年から92年にかけて、4つの展覧会で計8人ぐらいの作家の方を紹介させていただきました。

このトップバッターが柴田敏雄さん。白仁田さんのコレクションでは、柴田さんの作品は大分点数が多いですね。柴田さんも、最初に一緒に仕事をしたのが89年で、これも「現代写真の動向」という展覧会だったのですけれども、もちろんギャラリーとかの内部では注目はされていたのですけれども、そのときはまだ社会的にばっと広がるところまでは行っていなかったようなんですが、その後海外の方でも展示されるようになりまして、そしてここで展覧会を行って、それに対して木村伊兵衛賞をもらって、それで本が出て、より広く知られるようになったというところもあります。これはそのときの柴田さんの展覧会ですね。かなり大きなプリントもあります。

このシリーズの中で、4回目の展覧会で、今ここにいらっしゃる白岡順さんの展覧会もさせていただきました。あのときは白岡さんの展覧会も非常にすばらしいプリントが、120点ぐらいでしたか、まとめて展示させてもらいました。

これはまた復活して、「現代写真の動向 MATRIX OF PHOTOGRAPHY」、99年、去年やった連続展です。まだ知られていない作家もたくさんいますけれども、このときは10人の作家の方を幾つかのテーマで選んで協力してやったという展覧会です。その中には、いわゆるインスタレーションというか、写真を使って空間をつくっていくような作家の方の作品もあって、例えば浅岡あかねさんの作品ですけれども、こういう展示をしたりもしております。このときはビデオも、ここにビデオモニターがありますけれども、全部一体の作品として展示しているわけですね。

あと、現代写真のさまざまな活動に対して、実は海外からもかなり日本というのは写真の一番おもしろいところだと思われていまして、そういう日本の作家の活動を紹介したいということで、例えばスイスのクンストハウスで行われた日本の現代写真の展覧会なんですが、こういう海外のキュレーターからの提案とかを受けて協力したり、一緒に企画を練ったりして、また海外でも未来の作家を紹介していくという仕事もしております。そして、海外へ日本人の作家が紹介されていくと、海外のさまざまなギャラリーだとか美術館の方などが注目して、そこでまた収集とか展示につながっていく、そういう展開もあるわけです。

[ルイス・ボルツの写真展]

これはフランスの現代写真展、幾つか海外に関する展覧会、これはルイス・ボルツです。

[カラム・コルヴィンの写真展]

これはイギリスのカラム・コルヴィンという人の作品ですが、こういう現代に関する国際的な広がりも視野に入れながら、また日本の現代の作家の方の紹介もしていくというふうな形をとっております。

では、現代の作家の人たちの収集はどこからでているのかという質問が出そうなのですけれども、これは本当に、川崎市市民ミュージアムの予算というのはそんなに人に大声で言えるようなものではないのです。市場価格というものを考えると、本当に作家の方に申しわけないなと思うのですね。しかし、とにかく価値というものをできるだけ広めたいという気持ちをお伝えして、少しずつですが現代写真のコレクションもふえてきている。

これはミュージアムが買ったわけではないのですが、木村伊兵衛賞の受賞作家の作品が、おととし川崎市市民ミュージアムに寄託しようということになりまして、そこで柴田さんとかも含めて、最初の受賞者の方から25回目の方まで、全部で今300点ぐらいの作品がミュージアムの収蔵庫の中に入ってきておりまして、そういう意味では日本の現代写真のコレクションというものがミュージアムの中にかなり育ってきたというふうなところもあろうと思うのです。とりあえずこのぐらいお話ししておきまして、後半の方に移りましょうか。どうもありがとうございました。

[ 次へ>> ]